干し柿
右は妻の父が作った干し柿。もちろん私の好物である。ぐにゃぐにゃした食感とともに、じわりと広がる甘味がたまらない。
渋柿の皮をむいて紐にくくりつけ、軒先などに吊るしておくと干し柿ができる。渋柿の渋みは、カキタンニンという水溶性分子が原因で、これが唾液に溶けると舌の味覚細胞を刺激して渋く感じるのだそうだ。しかし干すことで水に溶けにくい分子構造になって、渋味がなくなる。その上、水分が蒸発して糖などの果肉の成分が濃縮されておいしくなる。
渋柿というのはどんなに我慢強くても食べられるものではない。私は子供のころ、山に生っていた小さな柿の実をとってその場で口に入れたら、渋柿だったという経験がある。まるで口の中一面に苔が生えたような異物感があって、うまいとかまずいとかいうものとは次元が異なる。しかも、水を飲んでも舌の表面を引っかいても、しばらくの間、渋さが取れないので文字通り閉口した。干し柿を考えた先人の経験と知恵に感謝したい。
それではまた。
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