映画「シェーン」の感想
しばらく前にレコード店の前を通りかかったら、著作権が消滅した古い映画のDVDソフトが並べられ、一本五百円で売られていた。その中に学生時代に好きだった「シェーン」があったので、衝動買いした。これを最近購入したDVDプレーヤーで見たのだが、すっかり感情移入してしまった。
シェーンは強くて善良で、確固たる行動規範を具えた人物である。そんな彼が通りかかった辺境の町で開拓民と牧畜業者のいざこざに巻き込まれ、牧畜業者が雇った殺し屋と対決する。ただそれだけなのだが、彼が最後に銃を抜くクライマックスシーンにはただならぬ緊張感と感動がある。
町の酒場でのシーン。手前がトラブルにけりをつけに来たシェーンで、奥に座っているのが牧畜業者のライカー。張り詰めた空気の中、床を踏む一歩一歩の足音が印象的である。ここでシェーンの正面にいる用心棒「二挺拳銃のウィルソン」を挑発する。
シェーン:I heard you are a raw damn yankee liar.
ウィルソン:Pull it.
シェーン役のアラン・ラッドの早撃ちはすばらしい。それからジャック・バランス扮するウィルソンの悪役ぶりもよい。
西部劇には多くの魅力的なヒーローが存在するが、一見平凡そうな風貌のシェーンは際立っているように思える。それは全編にわたってまったく揺らぎなく、彼の人物描写がなされているためであろう。わざわざ私が言うほどのことでもないだろうが、傑作である。1953年製作、ジョージ・スティーブンス監督。
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