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2008年4月19日 (土)

ついに40歳

Nm_2295b 先日、誕生日を迎えた。誕生日を喜ぶような年ではないのだが、40代の大台に乗ったということで、例年よりもしみじみとしたものを感じる。

現状はめでたさから程遠い。何しろ失業している。

今週から滋賀県立大学で非常勤講師を始めた。前期のみであるが、週一回でも仕事があるのはありがたい。しかしこれだけでは、以前このブログで計算した支出を賄うだけの収入にはならない。そこで、社会保障費の免除を受けるため、妻の扶養家族(正確には控除対象配偶者)になることを検討している。

良いことといえば、しばらくは、これ以上悪くなりそうもないことだろう。

 

区切りの年で思い出すのは、30歳の誕生日である。あの頃は今よりもひどい状況だった。アメリカに渡ってポスドクを始めたが、早々にクビになり、次の仕事を探していたのである。今でもインディアナポリスという中西部の殺風景な町の景色を思い出すのがあまり好きではない。生活に慣れず、英語を話せず、打ち解けた知り合いもいなかった。その上資金が底をつき、独りで途方に暮れた。

その後に移った、マサチューセッツ大学での仕事は楽しかった。ノーサンプトンという田舎町のアパートに住み、林の中を自転車をこいでアムハストのキャンパスに通った。友達ができ、今の妻と知り合った。最良の思い出である。

30代前半の経験で、私は少しぐらいのことで驚かなくなったし、無理をしてでも環境を変えたほうが良い場合があることを学んだ。

そして気がついたら40代で、再び困難に直面している。しかし日々能天気に過ごして、いたずらに神経をすり減らすことがないのは年の功であろう。

これからも落ち着かない日々が続くと思う。せめて生活の変化やトラブルをブログのネタにして楽しみたい。このブログは、アクセス数を増やすよりも、より長く続けることが目標にしている。20年後、30年後もこうして記事を書いていられたら幸せである。とはいえ、同じことばかりでは飽きてしまうだろうから、今年は個人的なことばかりではなく、世間の人に読んでもらえるような記事を書いてみたい。

 

最近思うのは、自立した研究者であるためには、研究費を得るところから始めなければいけない、ということ。独自の研究テーマを設定し、研究計画を立て、予算を獲得して、初めてオリジナリティーのある研究ができる。ポスドクのように雇われた身分ではテーマ選びが限定されてしまうのはある程度仕方がない。しかし現在せっかく失業していることだし、思い切って新しい研究テーマを始めて、科研費あたりに応募するのが今年の目標としては適当だろう。

それから仕事を探すこと。ここでいう仕事というのは、独立した研究者として働くことができる大学や研究機関の研究職のことである。しかし思い出してみると、学位を取る少し前から、つまりここ14年ぐらい、ずーっと求職している。私の目標は、自分の研究室をもつことなので、今後もあきらめずに探し続けるつもり。

私はどちらかというと楽観的な人だけれど、すぐに仕事が見つからない可能性もある程度は考えている。だから経済的な安全保障として、日銭を得られるサイドビジネスだとか、収入につながるような資格を取ったりということを検討中。金儲けなど気が乗らないが、研究につながるようなものであれば結構だと思う。この年で夢を語ることを許されるならば、自分の研究を基に起業して経済的にも自立したい。

 

ところで最近、市街地で自転車に乗っていたら二人組みの警察官に呼び止められた。うっかり無灯火だったせいだ。自転車についている防犯登録番号を問い合わせるために、しばらく引き止められてしまった。一人の警官がトランシーバーで番号を照会する間に、もう一人が私の話相手に。職務質問というほどのことはなくて、ただの雑談だった。今の時期は酔っ払いのトラブルが多いのでパトロールを強化しているとの事だった。新人の歓迎会などで若い社会人が酒を飲みすぎるそうだ。どうも話が変だな、と思って、私が大学の教員だと言うと、案の定驚いている。すかさず年を聞かれて「40歳」と答えるとまたびっくり。やはりと思ったが、20代と見られたようだ。警官に若く見られてもうれしくないけど、面白い。目撃情報で手配されたら20代の男性か。

上の写真は、妻が近所のケーキ屋さん「ポーレ」で買ってきてくれたバースデーケーキ。ケーキ屋さんが「のぶひろ」は子供だと思ったらしい。

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コメント

遅くなりましたが、誕生日おめでとう!
人間、40年も生きていればいろいろありますよね、ホント…。

今は、決して、満足と言える状況にはないかもしれませんが、まだ人生やっと半分きたばかり、まだ先は長いですから焦らずに楽観的いきましょう。…というのは、ホントに“言う”だけなら簡単ですが、実際は不安や焦りが少しはあるものです。でも、まあ、よき伴侶に恵まれて、衣食住に不足なく、健康で、5体満足で、そして何よりも「生きてる」、それだけで、もうけもんですよ。

「40歳を過ぎたら、人間は自分の顔に責任を持つべきである」と言ったのはリンカーン。顔は親からもらったものだから顔云々は親のせいだ、とはよく聞くが、40歳にもなると生きてきた軌跡のようなものが(年輪のように)顔には表れてくるから、よくも悪くも、若く見られるのも老けて見られるのもそれは自分のせいだ、とリンカーンは言っているのだろう。三浦が若く見られるのは、常に心身ともに健康で若々しくあるべく努力してきたせいでしょう。これからもその調子でいつまでも若々しくあられるように!

さて、祝40歳でこういう話は不謹慎かとは思いますが三浦の耳に入れておきます。この3月~4月にかけてそれぞれの分野で世界中の人びとに大きな影響を与えた3人の大御所が亡くなりました。知っているかもしれませんが、一応書いておきます。3月19日に、ロバート・A・ハインライン、アイザック・アジモフと並んでビッグ・スリーと称されたSF界の大御所、アーサー・C・クラーク(90歳)が、そして、4月13日に、ブラックホールの命名者でアインシュタインとも親交があり、あのファインマン博士の師匠でマンハッタン計画にも参加した宇宙物理学者ジョン・A・ホイーラー(96歳)が、4月16日には、非線形的な気象モデルの研究から「カオス」を発見したことで名高いエドワード・N・ローレンツ(90歳)が亡くなりました。それぞれ思い出深い人たちです。みなさん長生きですね、われわれも見習いましょう。あと50年!

投稿: K.Y | 2008年4月29日 (火) 15時59分

KY君
コメントありがとう。現状に満足していませんが、今更どうにもならぬという吹っ切れた明るい気分で日々過ごしています。人生の折り返し地点で助走の時期を持てる自分は運がよいと思うことに。実際のところ、失職は不本意ですが、気力体力が充実し、衣食住に不足なし。そのうえ、妻がいて、友達がいて、ブログに生活のことを書いていられるというのは幸運としか言いようがない。

どんな環境でも自分にできることを最大限にやって道が拓ければ満足。願わくば自分らしい仕事を長くわがままに続けたいですね。大御所たちに見習ってお互い長生きしましょう。

投稿: 三浦 | 2008年5月 1日 (木) 00時12分

遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。
私も2月に一足先に大台突入しましたが、初めてお会いした10年前とは精神的には何も変わっていないような...
ただ、体の衰えを感じるこの頃...
お互い、無理をしすぎずこれからも頑張っていきましょう!

投稿: 篠原 | 2008年5月 4日 (日) 22時16分

篠原さん
お久しぶりです。ありがとうございます。お互い、不惑の年ですね。一応記事にしたのですが、なんだか40歳という実感が湧かなくて・・・。
いつの間にか時間がたっていましたが、アムハストでお会いした10年前がつい最近のように感じます。ともあれ、年相応に余裕を持って頑張れる40代にしたいですね。

投稿: 三浦 | 2008年5月 5日 (月) 22時55分

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