2017年3月12日 (日)

「ラインの黄金」を観に行った。

大津には「滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール」というオペラハウス(4面舞台を持つ舞台芸術専用ホール)がある。夜中にフクロウの鳴き声が聞こえるような田舎に住んでいて、近所でオペラ鑑賞ができる。なんて贅沢なのだろう。

先週末、「ラインの黄金」というオペラを観に行った。以前観た「トリスタンとイゾルデ」が素晴らしかったので、今回もチケットを予約して買ったのである。

びわ湖ホールは今年からワーグナーの「ニーベルングの指輪」四部作を毎年一作ずつ上演するという。一作目が序夜「ラインの黄金」。

あらすじを説明することは難しい。ぶ男で小人族(ニーベルング族)のアルベルヒはライン川の底から黄金を盗んだ。この黄金から、愛の放棄と引き換えに、権力を得る魔力を持つ指輪を作った。これで世界の支配をもくろんでいた。

主神ヴォーダンが巨人族の兄弟に城を作らせたのだが、報酬として約束していた妻の妹のフライヤを与えたくなかった。だから小人族のアルベルヒから指輪と財宝をだまし取って、巨人族に与えた。アルベルヒは怒って、指輪に呪いをかけた。受け取った巨人族の兄弟が分配をめぐって殺し合いを始めた。ヴォーダンは指輪の奪還を画策しながら、家族とともに新しい城に入る。これが「ラインの黄金」の物語。

ろくでもない話のようだが、細部はもっとひどい。登場人物が指輪を得るために、だましあい、戦い、互いにひどい目にあって、最後は神々が滅びる物語である。これがワーグナーのオペラで語られると感動する。

いつも通り、比較的安い席。舞台を真上から見下ろすような4階席の2列目、舞台手前のオーケストラピットがよく見える。B席、1万1千円。

歌も演奏も素晴らしかった。久しぶりにリングの世界に浸ることができた。舞台は映像が多く、大道具は少なかった。仰々しくはなく、どちらかというとユーモラスな演出で楽しかった。妻がとても面白がっていた。もちろん来年以降も観に行くつもりである。

下は拙宅から見た大津の市街地。対岸、かまぼこ状の白い建物がびわ湖ホール。

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2011年4月30日 (土)

「春の風のオカリナコンサート」に行った

先週の日曜日(4月24日)にオカリナのコンサートを聴きに行った。会場は栗東芸術文化会館さきらの小ホール。すぐ近所で自転車で10分ほどしかかからないのだが、諸事情により家を出るのが遅くなって、開演直前に受付に到着。少し焦った。出演はオカリナ奏者の山本優子先生。(私のオカリナの先生です。)それから共演のヴァイオリン、ギター、チェロの奏者の方々。いつもどおり、山本先生のオカリナの透きとおった音色が素晴らしい。伴奏もぴったり。小ホールだと間近で聴くことができてうれしい。今回はメロディーがきれいな曲が多くて心地よかった。週末のひと時。

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2011年3月 8日 (火)

「最後の晩餐」とスカラ座の「ベニスに死す」

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあるレオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」を見るためには予約が必要なのだが、日本からうまく電話がつながらなかった。だから少し割高になるけれど、LookMiというバスツアーに参加することにした。ドゥオーモ(街を代表する教会堂)、スカラ座、スフォルツァ城、最後の晩餐という順に周る。

「最後の晩餐」は保存の状態がよくないため管理が厳重で、絵を観られるのは15分間のみ。薄暗いホールの壁に描かれた油絵。中央にキリスト、左右に6人ずつ弟子と思われる人物。迫害を受けたキリストが処刑の前夜に弟子たちと同じテーブルで食事をしている。キリストが伏目で静かに口を開き、「汝らのひとり、われを売らん」と言う。そして動揺する弟子たち。若くして死ぬキリストと残される弟子たちの劇的な場面。優しい表情のキリストから声が聞こえてくるようである。

午後からレオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館を見学。イタリアは産業革命以来、物作りの先進国である。機関車や飛行機など実物のメカを見るのは楽しい。

夕方、ピザッテリア(ピザのレストラン)で食事。チーズ、生地、サラダにかけるバルサミコ酢など、私が知っている味とぜんぜん違うように感じる。とにかくおいしい。

夜はスカラ座でオペラ鑑賞。席は5階のバルコニー。(もちろん安めのチケットです。)コップの壁から底を覗き込んでいるような感じ。舞台の前方にいるオーケストラが真上から見える。演奏中に休みのパートの人がひそひそ話をしているのが見えたりして、これはこれで面白い。

演目は「ベニスに死す」。ベンジャミン・ブリテン作曲、エドワード・ガードナー指揮。歌詞は英語。私は原作者のトーマス・マンのファンではないので、物語のよさをうまく伝えられない。主人公はベニスのリゾートホテルに滞在する裕福な文筆家。何不自由ない身分のはずだが、暗い憂鬱な音楽と共に現れる。ポーランド人の少年を見て独り思いを煩わせ、声をかけるかかけないかで、演奏中の3時間ずっと悩み続ける。街でコレラが流行り始めても逃げ出さず、感染して死んでしまう。緊迫感のある演奏が素晴らしく、最後の場面では主人公に少し同情してしまった。

下はヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア(アーケード)、スフォルツァ城(3枚)、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(3枚)、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館、ガッレリアの入り口、スカラ座。(2011/3/28)

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2010年10月11日 (月)

「トリスタンとイゾルデ」を観に行った

隣町の大津市には滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールという大きな音楽施設があり、ここの大ホールにはオペラ用の立派な舞台が備わっている。だが私のような素人には、海外のオペラハウスの来日公演に使われているのだろうという程度の認識で、正直に言うと、芸術監督と声楽家の集団がいて定期的に公演しているなんてまったく知らなかった。

春休みに妻が情報誌を読んでいて、「トリスタンとイゾルデ」がびわ湖ホールで上演されるのを見つけて教えてくれた。私は20代の頃、CDやレーザーディスクでよくワーグナーを聴いた。30代前半のときニューヨークでポスドクの仕事をした。せっかくなので、妻(まだ結婚してなかったけど)と時々メトロポリタンオペラに行った。私がいたシーズンに「ニーベルングの指環」とか「トリスタンとイゾルデ」が運良く掛かっていた。やはり生で観るのはいいものだと思った。

日本に帰ってきて、オペラはそれっきりだった。ワーグナーなんて年でもなくなったし。だが今回はわが妻が誘ってくれたのでチケットを買った。C席8000円也。

そして昨日の日曜日に妻と観に行った。開演は午後2時。席は4階の舞台正面、すり鉢のヘリのような位置だったが、舞台までそれほど遠く感じなかった。会場が暗くなり、舞台手前のオーケストラの前に指揮者が立つ。拍手が止まり、おもむろに前奏曲が始まった。

音が出た瞬間に引き込まれた。いやがおうにも心をかきたてる旋律。私が言うのもなんだが、紛うかたなきワーグナー。気がついたら第一幕が終わって夢中で拍手をしていた。特にイゾルデの歌いっぷりが素晴らしい。高音で声が伸びるたびに痺れた。30分の休憩をはさんで、第二幕、第三幕があっという間だった。幕が下りた後、今までで一番長く拍手をしたと思う。それにふさわしい舞台だった。終演は午後7時で外は真っ暗。堪能した。

下はびわ湖ホールからの眺め。

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